スーパーや百貨店等の小売業では、インボイス制度開始後も免税事業者からの仕入れが多数見込まれそうだ。
免税事業者など適格請求書発行事業者以外の事業者からの課税仕入れであっても、
制度開始後6年間は、経過措置の適用により一定割合を仕入税額控除できる。
同経過措置は、免税事業者など適格請求書発行事業者以外の事業者からの課税仕入れについて、
令和5年10月1日から令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%を、
令和8年10月1日から令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%を控除できるというもの(平成28年改正法附則52、53)。
適用に当たっては、帳簿に区分記載請求書等保存方式の記載事項に加えて、
「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨(経過措置対象の旨)」の記載が必要となる。
ただ、多数ある取引の金額が大小さまざまであることから、実務負担を考慮して一定の金額基準を設けて、
基準を下回る課税仕入れには経過措置を適用しないとする事業者があるようだ。
一部取引には経過措置を適用しない場合、帳簿に必要な経過措置対象の旨を記載しない対応をすればよいという。
例えば、小売業を営む事業者が、令和5年10月における免税事業者からの課税仕入れのうち、
取引金額が50万円未満の取引については経過措置を適用しないというルールを設けた場合、
経過措置を適用したい取引金額50万円以上の取引に のみ 、帳簿に経過措置対象の旨として「80%控除対象」などと記載する。
なお、経過措置対象の旨の記載は、各対象取引に記号・番号等(例:★)を示し、「※★は免税事業者からの仕入れ」と別途表示する方法でもよい。
引用元:「週間税務通信 令和5年10月2日号」p69
編集者:ムラセ