会社の中で、士業やフリーランス等のために旅費や交通費を負担することがあると思います。知っていらっしゃる方も多いとは思いますが、この負担した料金は、原則として、源泉徴収の対象になります。所得税法上、旅費・交通費といえども「報酬・料金」の性質含むものとみなされるからです。
しかし、例外として源泉徴収を不要とする場合があります。会社が交通機関や宿泊施設に直接料金を支払ったと同視できる場合です。「同視できる」といわれてもパッとしないと思います。例と共にご紹介させていただきます。会社が士業・フリーランス等より「宛名なしの領収書」の原本を預かった場合を考えてみます。この場合、源泉徴収が必要になります。もちろんですが、宛名に士業・フリーランス等のご本人の名前が記載されていても同じく源泉徴収が必要になります。宛名がない或いはご本人の名前であることから「会社が交通機関や宿泊施設に直接料金を支払ったと同視できない」からです。<br>つまり、「会社が交通機関や宿泊施設に直接料金を支払ったと同視できる」とは、「領収書の宛名部分が会社名であること」です。宛名が会社名であることによって源泉徴収は不要になります。
注意点として、宛名なしの領収書に後で会社や士業・フリーランス等の本人が宛名を書くという行為は認められておりません。必ず領収書の発行者に手書きでもいいので書いてもらってください。
以上で士業・フリーランス等のために負担した旅費・交通費を建て替えた際の源泉徴収の必要の有無の説明を終わります。是非機会があればご活用ください。
編集者:オオタ
引用元 税務通信 No3619 P2~P3
税務通信 No3626 P2~P3