いきなり長くややこしいタイトルですみません。ただこの制度、本名は「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」という、もっと長くややこしい名前なんです。
なんとなく知っている、聞いたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、この制度は、子や孫の結婚・子育てに必要な資金を贈与する際、一定の条件を満たし、適正な手続きを経ると、贈与した資金のうち、1,000万円までが非課税となるというものです。
〇そもそも贈与税って?
贈与税とは、ある人が一年間(1月1日~12月31日)にいろんな人からもらった資産の合計額が110万円を超える場合、超えた部分に対してかかる税金です。累進課税(金額が大きくなる程、税率が高くなる課税制度)であり、その税率も比較的高いものです。例えばある人Aさんが一年間に両親から合計で1,000万円もらったとすると、177万円も贈与税がかかってしまうことになります。
しかし、この制度の適用を受けると、この177万円は支払わなくて良くなります。とってもお得な制度ですよね。
〇非課税制度の概要は?
もらう人 | 20歳以上50歳未満であり、かつ、もらう年の前年の所得が1,000万円以下の人 |
あげる人 | もらう人の父母、祖父母 |
非課税限度額 | 1,000万円(そのうち、結婚に関する資金は300万円) |
適用は令和5年3月31日までとなっておりますが、これは今後の法改正で期限が延びる可能性があります。
※もらう人が50歳に達した場合、残額には贈与税がかかりますのでご注意ください。
もっと詳しい内容を知りたい方は、下記のパンフレットをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201504/pdf/01.pdf
〇何に使うお金なら適用されるの?
「結婚・子育て」と一言で言っても、実際にはさまざまな費用がありますが、ここでは適用される費用についてさっくりとご紹介しておきます。
〈結婚に関する資金〉
・挙式費用、披露宴の費用(婚姻日の1年前の日以後に支払うもの)
・新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
〈子育てに関する資金〉
・不妊治療、妊婦健診に要する費用
・分娩費用等・産後ケアに要する費用
・子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッターも可)
もっと詳しい内容については、下記のHPをご参照ください。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/pdf/zouyozei/b1.pdf
〇適用を受けるための手続きは?
基本的には金融機関とのやり取りになってきます。専用の口座をつくり、その口座に入れたお金(贈与分)を使うごとに、その使った分の領収書等も金融機関に提示していくというものです。申告書も金融機関からの提出となります。実際に制度の適用を考えられている方は、一度金融機関でご相談してみてください。
もっと詳しく知りたい!実際に制度を使ってみたいという方は、下部の参考文献のURLをご参照ください。もちろん、当事務所へのお問い合わせもお待ちしております☆
編集者:ムラカミ
参考文献:No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税/国税庁
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4511.htm)
父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし/国税庁
(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201504/01.htm)
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)/国税庁
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm)
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置/内閣府
(https://www8.cao.go.jp/shoushi/budget/zouyozei.html)