新型コロナの影響により、オンライン講座の需要が高まっています。会社が、従業員が自己啓発目的で受講したオンライン講座の受講料を負担した場合、
職務に直接必要なものでなければ給与等として源泉徴収が必要となります。
会社が支給する金品は、給与や賞与の名目を問わず給与所得として課税対象となることが原則であるところ、
従業員等の職務に直接必要な技術や知識を習得等させるための研修会の受講料等については課税しなくてよいことになっています( 所法28 ①, 所基通36-29の2 )。
会社負担のオンライン講座の受講料も、その講座の内容が職務に直接必要か否かで課税判定を行うことになります。
オンライン講座の内容が、職務に直接必要か否かは、例えば会社の指示で受講させる外部研修の内容と比較して判断することが一法です。
会社の指示で受講させる外部研修は、職務に直接必要であるからこそ受講させることが一般的。オンライン講座の内容が、
外部研修の内容と類似するものであれば職務に直接必要なものと捉えて問題ないでしょう。
また、所得税法上会社が従業員に支給する「学資金」は非課税となるところ( 所法9 ①十五)オンライン講座の受講料は、ここでいう「学資金」に該当するとは言い難いです。
「学資金」は、“学資に充てるための金品”であり、奨学金等が代表例。オンライン講座の受講料などは、一般的に“学資”に充てるとは言い難く、
前述のとおり職務に直接必要か否かで課税判定を行うことが原則となります。
なお、消費税については業務遂行上必要なもので、会社が受講料の支払に係る会社宛の領収証を受領した場合等では課税仕入れに該当し、
仕入税額控除の対象になるとされています(国税庁HP:質疑応答事例「社員の通信教育費を負担するときの仕入税額控除の可否」)。
編集者:ノノセ
(引用元:「週間税務通信 令和3年6月14日号」p53)