タイトル:「一括値引きのインボイスはどうなる?」

括値引きと合理的な区分

 

スーパー等において、売手が飲食料品(税率8%)と飲食料品以外(税率10%)の合計額から一括値引きした場合、

適用税率ごとの値引額又は値引後の税率ごとに区分して合計した金額を明らかにする必要がある。

この処理は、オンライン店舗での販売に際し、店舗側(売手)が購入者(買手)に書面のレシート等(簡易インボイス)を直接交付しない場合も同様となる。

 

8%対象と10%対象の商品の精算時に割引券等が利用され、合計額から一括して値引きが行われた場合、値引後の対価の額にそれぞれ消費税が課される。

そのため、買手に交付するレシート等には、「値引後の課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」を示すこととなる(インボイスQ&A問69)。

 

こうした一括値引きによる値引額等は、適用税率ごとに合理的に区分する必要があり、

通達では、 買手に交付する適格請求書により 、適用税率ごとの値引額又は値引後の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額が確認できるときは、

それぞれの金額が適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当するとしている( 消基通1-8-5 )。

 

同取扱いの解釈につき、オンライン店舗を営む事業者から、実店舗で買手にレシート等を直接交付する場合のみが合理的な区分とみなされるのではないかと懸念する声があるようだ。

だが、同取扱いは交付方法の問題ではなく、レシート等から適用税率ごとの値引額等を確認できることがポイントとなる。

 

例えば、オンライン店舗での販売において、売手がインボイス対応のレシート等を作成したものの買手の要望により送付しなかった場合であっても、

そのレシート等や控えから適用税率ごとの値引額等を確認できるときは適用税率ごとに合理的に区分されているものといえる。

 

編集者:ノノセ

(引用元:「週間税務通信 令和5年10月30日号」p61

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